ゲーム感想 『近畿霊務局 – Kinki Spiritual Affairs Bureau』

概要等

『近畿霊務局 – Kinki Spiritual Affairs Bureau』(Steam)
2024年10月4日発売

Steamページによると「幽霊に思いっきりやり返せるホラーゲーム」との触れ込みですが、実際のゲーム内容は果たして……?
v1.20をプレイ。(v1.17で難易度選択が追加された模様。難易度レギュラーでプレイ)

 

評価

総合評価:★★★★
面白さ :☆☆☆☆
すごみ :☆☆☆☆☆
手軽さ :☆☆☆☆☆(プレイ時間:3.5時間)
当ブログにおける作品の評価基準についてはこちら(別記事)

 

 「幽霊に思いっきりやり返せるホラーゲーム」ではなく、そもそもホラーゲームというのがほぼ嘘であり、TPSミリタリーゲームである。そこはまあ……芸風?罠?

 支援を受けながらもおおよそ個人で作成されたゲームらしく、すごみがある。そして何より世界設定や物語が面白い作品。霊障に対処する「霊務局」や、神事を扱う「神務庁」といった組織が存在する世界の現代日本で、思いっきり政治・ミリタリーをやっていく。自分で動かす部分がある映画みたいな類。言ってしまえばゲーム部分に新しさはなく、操作性のよくない部分もあるが、斬新な世界設定が新鮮な体験を作り出している。

 

感想

 他の方の実況プレイで半分以上は見てしまったんですが、そのあと自分でも買ってプレイしました。実況で見てなくて「このあたりで終わるんだろうな~」と思ってたところから結構まだ続きがあって、ボリュームにびっくりした……。

 先述の通り、まず霊が実在して、国が対応にあたっているという設定が秀逸。それが設定だけで終わらず、魅力的で深みのある物語がちゃんと乗せられている。かつ、導入だけはちゃんとホラーゲームっぽくしてある(ものの数分で化けの皮は剥がれる)。徐々に明かされていく世界設定の中で、思ったよりすごい事件に巻き込まれていることが分かり、事態はどんどん映画級になっていく……。そんでほぼ戦争ゲームのキャンペーンモード(一人用ストーリーモード)になる。私の経験で言うとCoD(コールオブデューティー)のキャンペーンと同じ空気を感じる。

 とにかく話が独特で面白く、本筋はシリアスな一方、ユーモアの配分もかなり多いので楽しく進めることができる。死人はめちゃめちゃ出るけど……。ただ、イベントシーンでは文字送りが可能になるまでにそこそこの間があり、テンポは若干気になるところ。ボイスが無いのは開発規模として自然だけども、そのぶん戦闘中の字幕は読み落としてしまいやすい。またゲームとしては、(難易度選択が実装されて進めるのは比較的楽になったとしたうえで、)FPSではなくTPSのため銃や手榴弾の射線がわかりにくく、壁越しの攻撃が難しいといった難点は感じました。あと近接攻撃の当たり判定がよくわからないとか。

 総じて異彩を放っている作品。つくべきところの目につけば実写化やら開発会社がついてのリメイクや続編も全然ありそうな個性を感じる。ゲーム自体がもうほとんど映画みたいな内容なんだけど……。

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