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※リンクURL及び料金表示は2020年6月26日のものです。
めちゃめちゃ有名な映画を観ようの会。初めて観ました。映画の素養が……低い!
『ターミネーター』(以下、『1』)は1984年、『ターミネーター2』(以下、『2』)は1991年の映画です。30年ほども前!当時の時代背景を私は掴みかねるので……素っ頓狂な感想になっててもどうかご容赦ください!
■公開年に対する印象
まず『1』、これは36年も前の映画であるのみならず、かなり低予算の映画だったそうな(wikipedia記事の情報を鵜呑み)。実際、いま観るとさすがに見劣りするようなCGもあります。逆にそれ以外の部分は問題なく視聴に耐える……というか、これを36年前に、低予算で、どうやって成り立たせたのでしょう?かなり挑戦的なシーンが多いように感じます。全体の雰囲気も、いま見ると80年代の世界観がかえって新鮮かも。殺人ロボットから逃げ回るという内容は、SFというよりは案外、ホラーに近い印象。現代の水準の娯楽映画と比べてしまうと、いささか間延びしているように感じるシーンもありましたが、80年代の低予算映画であるという前提から考えてみると、驚異的に完成度が高いように思われます。これほどまでに有名な理由も頷けますね。
そして『2』は、『1』のヒットを受けて予算が大幅にアップしているとのこと(例のごとくwikipedia記事による情報)。7年の経過と予算のアップは映像に直結しており、アクションシーンの派手さが段違いです。場面もあちこち切り替わり続けますね。『2』だけでも大作SFアクション映画として成り立つと思いますが、『1』の内容を踏まえると更に味わいが深まる造りで、シリーズ作としても完璧ですね。今でも聞くような有名なセリフも多々登場し、タイトルの偉大さを感じさせます。近年のアクション映画で見たようなシーン(銃撃戦やカーチェイスなど)も多く、つまりは、近年の映画にも大きく影響を与えているのであろうことが推察されます(あるいは、更にもっと昔から、連綿と受け継がれ続けているアクション映画の文法なのかな?)。
■良かったシーン、気になったシーン
『1』はまず冒頭、ターミネーターの登場……すなわち全裸のシュワルツェネッガーの肉体美がすごくってぇ……インパクトがありますね!その後に登場する、屈強ではあるもののあくまで人間であるカイル・リースとの対比が面白いですね。リースが服屋の中を警察から逃げ回り、服の中に隠し歩くためにショットガンのストックを切り落とすところなんか面白かったです。一方のターミネーターが武器屋でがっつり銃器を仕入れるのも楽しい(銃器が好きなので……)。州警察の方々も愛嬌がありますね、例のごとく警察は滅びますけども……。最初は一般人であるサラ・コナーが、最終的に戦士になるのはかっこよかった!そしてエピローグにて、未来のリースが持っていたポラロイド写真を入手するシーンは、タイムスリップものとして熱いシーンでした。
気になったのは妙に本格的なラブシーンの尺の長さですかね(迫力や説得力の観点から言えば見事だった)。あとターミネーターの乗るトラックを爆破炎上させたあと、勝ちを確信しすぎてフラフラと爆心地に近づいて行くのは見てて笑ってしまいました(これは『2』で凍ったT-1000を砕いた直後にも発生する……)。その直後に炎の中から登場するターミネーターの中身のデザインはかっこいい!ターミネーター(T-800)のデザインが外部も内部も秀逸なのは、シリーズ魅力の一つでしょうね。
『2』に関しては全体的な完成度が高く、気になったシーンを除いて全部いいみたいな感じです。気になったのはサラ・コナーが単独でマイルズ・ダイソン(サイバーダイン社の開発部部長)の家に乗り込むところ。「黙って一人で行くやつ(映画あるある)やめろ!」「狙撃するんならさっさと撃て!」「そこまで襲撃しておいて殺さないんかい!」「殺せなかった割に悪態すごいな!」といった感想を持ち……。もちろんサラ・コナーにはすさまじい背景があり、誰にも信じてもらえない中で一人で未来のことを背負い、ただの一般人であった人生を一転させて戦争の指導者を育てるべく多大な努力をし、物語の直前には半年も精神病棟に隔離され追いつめられていた……という汲むべき事情があるものの、ちょっとヒステリックだったなという印象。あとはT-800の不殺がちょっとヒロイックすぎますかね。サイバーダイン社を警察が包囲した際、T-800が不殺を守ったまま警察を散らすわけですが、殺してないのでパトカーを破壊して包囲線を少し後退させただけに留まっています。脱出する際に追跡がなかったからそれでいいのかな?
『2』のいいところはジョン・コナーですね。とにかくルックスがよい。そして物分かりがよく、子供らしいかわいらしさを発揮しつつ、母親に仕込まれた技能で戦士の片鱗も見せています。T-800とT-1000はどちらもかっこいい。T-1000のほうが最新ということで基本的には強い印象ですが、例のごとくフルオート銃器はお互い滅多に当たらないのもあり、割と追跡を失敗し、中盤ではしばらく出番が無くなりますね……。案外お茶目。そしてT-1000の圧倒的な戦力を前に、T-800とサラ・コナーとジョン・コナーが力を合わせることで何とか勝つ、という構図が素晴らしいですね!T-800についてはもう最高ですね。あざといとすら思います。「No problemo.」すき。中盤以降の主たる火力がグレネードランチャーというのも意外でよい(銃器が好きなので……)。そして潤沢な予算から来るのか、場面がたくさんあるのが本当に楽しく、ショッピングセンターのゲームコーナー、砂漠地帯にキャンピングカー暮らしする大家族、今でも遜色ないくらい未来感の漂うサイバーダイン社など、見所がいくらでもありますね。
■『1』と『2』の対比
『2』でシュワちゃんが味方側になる!というのはいくらなんでも私でも知っていたのですが、当時のファンは映画館で度肝を抜かれたりしたのでしょうか。『1』の序盤でサラ・コナーから見てカイル・リースとT-800のどっちが悪者なのか分からなかったように、『2』でもT-800とT-1000のどちらが悪者なのかしばらく分からないような造りになっていた気がします。そういった構造の相似がある一方で、どちらも未来から過去に対する攻撃が描かれる中、『2』では多少なりとも過去から未来への反撃に転じるという進歩があったのはいいですね(それの始まりこそが上に挙げた、サラ・コナーが一人走りしたところではあります)。『2』以降のシリーズがあることは知っていたので、てっきり『2』ではジョン・コナーを守り切って終わりかと思っていたのですが、サイバーダイン社に攻め込む(そして壮大に爆破する)のは意外でした。30年前の映画に予想を裏切られてしまった……。
■まとめ
そんな感じで、『1』も『2』も評判に違わぬ名作でした!『2』は圧倒的な大作だし、それに先立つ『1』も魅力がよくまとまっていて、好ましい古さを感じる作品でした。やっぱ評判のいい過去作を観ると外れることがなくて最高なのよね……。今後も名作は履修していきたい所存!