映画感想 『アイカツ!×プリパラ THE MOVIE -出会いのキセキ!-』

概要等

公式サイト

2025年10月10日公開。上映時間76分

 女児向けアイドルアニメとして同時期にアニメやアーケード筐体を展開し、思いっきり競合していたバンダイの「アイカツ!」とタカラトミーの「プリパラ」がコラボで映画化という驚きの作品。とはいえ10周年記念作品という側面もあり、バチバチに競合していたのも昔の話ではある。ちなみにアイカツそのものは既に12周年であり、今作については主人公が変わった3期・4期の10周年記念という扱い。

 私はもともとプリパラは全話見てありましたが、アイカツについては3期の序盤までと劇場版アイカツ(1作目)のみの履修状況でした。幸いにして、この映画の公開にあわせて公式YouTubeでアイカツ3期・4期の期間限定公開があったので、それを活用して4期まで駆け込みで履修できました。ついでに劇場版(短編)「魔法のアイカツ!カード」と、劇場版「未来へのSTARWAY」も見ました。(「未来へのSTARWAY」は真のアイカツ10周年記念作品であり、こちらは1期・2期のキャラクターが主役となっている)

 

※以降はネタバレを含むため注意。※

※分かりやすさ・書きやすさのため、キャラクター名の表記は主にフルネーム、敬称略とします。※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

評価・ネタバレあり感想

総合評価:★★★★
面白さ :☆☆☆
すごみ :☆☆☆☆
手軽さ :☆☆☆☆(76分)
当ブログにおける作品の評価基準についてはこちら(別記事)

 

 10年前とはいえ同ジャンルで競合していたコンテンツが、劇場版アニメというしっかりした映像作品でコラボするのは実際すごい。しかもアイカツとプリパラのキャラが混ざって、双方の曲を使ってライブするというのは、制作の背景を察するにしても実際に映像を見るにしてもインパクトがとんでもないですね。

 76分の尺にライブ映像をたくさん詰め込んでいるのもあり、お話についてはさすがに特別面白いというほどではないと思いました。それでもちゃんと話があって成立してるので、十分とも思う。ライブ映像をランキング形式で流すだけの劇場版も多数あるからね……。アイカツ側がアスリートすぎるところとプリパラ側がトンチキすぎるところ、そこの交流が見られてよかった。。でもプリパラ内といえど崖3000mはさすがにやりすぎ。主役のアイドルたち以外のところでも、めが兄ぃとジョニー別府の絡みは面白かったです。

 映画の尺としては76分で手軽だけども、登場人物をすべて把握するにあたってアイカツ3期・4期(6クール)とプリパラ1期・2期(7クール)の視聴が理想となるのはさすがに重いですね……。映画を観たあとなのでアイカツ1期・2期およびプリパラ3期以降(3期・アイドルタイムプリパラ・アイドルランドプリパラ)の視聴が必要ない造りになっていることはわかりますが、観る前にそれを判断するのも難しい。ED映像とかの細かいところではそれらの登場人物も一部出てくるし。そこまで含めてもプリパラはせいぜい3期までで大丈夫そうかな?

 ところで、最新のプリパラ(アイドルランドプリパラ)ではプリチケは廃止されており、アイドルキーをチャキるのであるが……やっぱプリチケをパキるほうが映えますよね。別の映画ですがキンツア(当サイト記事)に至っては、アイドルランドプリパラのキャラクターが登場してるのに平気でプリチケ出してましたね……。

 ライブCGについてですが、クレジットを見る限り、制作はタツノコプロ(プリパラ側)なんですね。協力としてバンダイ側の会社もクレジットされているし、タツノコプロ単独っていうこともないとは思いますが……。それもあるのか、個人的には、アイカツ側の曲のCGライブが相対的に弱めかな~と思いました。もともと私はプリティーシリーズのほうに思い入れてるのでそう感じるのかもしれません。

 あと、メイキングドラマとスペシャルアピールは少なかったですね。プリパラ楽曲だとサイリウムチェンジがありますが、アイカツ側アイドルのサイリウムコーデは汎用が多いっぽい?サイリウムチェンジがないぶんアイカツ側の楽曲がおとなしいようにも見えましたが、もしかしてオーラの発生がサイリウムチェンジと対になってたんでしょうか。作中でも1期の序盤くらいしか言及されなかった気がするんですよね、アイカツのオーラ……サイリウムチェンジと比べたら地味なのは否めないはず。

 以下、ライブごとに感想を書きます。自分用のメモも兼ねて、ライブで使われた曲の名前・原作での扱い・アイカツ側の参加アイドル・プリパラ側の参加アイドルを記載しますが、特に原作での扱いについては私の認識漏れや誤解が大いにあり得ます。正確なものではないということでご承知おきください。

 

START DASH SENSATION(アイカツ)

(アイカツ4期OPであり、大空あかりのソロ曲)
アイカツ側:大空あかり
プリパラ側:真中らぁら

 1曲目にふさわしい曲ですね。アイカツの曲を真中らぁらが踊ってる!というインパクトもある。ただ、この曲はアイカツ4期ラストの大空あかりソロのライブ映像がすごく良かったため、それと比べると普通な感じ。この曲は映画の予告でも使われていたので、驚きもないですしね。いい曲、いい映像であるのは間違いない。また、スペシャルアピールがあるのはこの曲だけだったかな?

 アイカツとプリパラの3Dモデルを同時に出すにあたって調整がなされているとのことですが、そのうえでアイカツの顔とプリパラの顔で差がありますね。プリパラのほうが横長い感じ。このライブに限らず。

 映画のつくりとして、冒頭で2人が突然この曲を歌うことになっていて、ライブが終わってから少し時間を戻して経緯が説明されるわけですが、その構造はちょっと微妙にも思った。1曲目をできるだけ早く流したいみたいな背景はありそうですが、時系列に沿ってまっすぐやったほうが綺麗なような……。あと、ソロの真中らぁらは本来何の曲でライブをしようとしていたんですか!!

 

ま~ぶるMake up a-ha-ha!(プリパラ)

(真中らぁらと南みれぃのデュオ曲)
アイカツ側:新条ひなき
プリパラ側:南みれぃ

 1曲目で大空あかり・真中らぁらをやったので、2曲目で新条ひなき・南みれぃというのは妥当な流れですね。髪色が一致している。個人的には、新条ひなきのソロ曲である「ハローハロー」がいいライブだと思ったので、そっちだったらもっと嬉しかったな~。アイカツではやりそうにない曲という意味では新鮮。

 

チュチュ・バレリーナ(アイカツ)

(アイカツ3期後期EDであり、氷上スミレのソロ・デュオ曲)
アイカツ側:氷上スミレ
プリパラ側:北条そふぃ、黒須あろま

 (カーテン)(時計塔)(それも一つの準備)←不思議な歌詞だよねという印象の話

 そふぃ様が踊るチュチュ・バレリーナ美しすぎる…………………………

 そしたら3曲目は氷上スミレ・北条そふぃが自然な流れ、と思ったら黒須あろまが混じった形。髪型が一致している。みんなして前髪が重い!!!最高!!!メンバー的にも、この映画のライブの中で私が一番興奮するであろうことが容易に想像されるライブなんですが、この曲と後で出てくる「コノウタトマレイヒ」は、公式Twitterで事前に情報が公開されてたんですよね。なので驚きは無かった。驚きが無くてもいいライブだけど。もともと氷上スミレが単独で踊るにしてはキレがよすぎる振り付けだと思うんですが(原作でも、ダンスが得意とされる黒沢凜とデュオになる)、ここに北条そふぃが入ることによってキマりまくっている。と思う。しかしこの映画のそふぃ様は普段よりだいぶ背高く見えるね……。

 

恋するみたいなキャラメリゼ(アイカツ)

(栗栖ここねのソロ・デュオ曲)
アイカツ側:栗栖ここね、堂島ニーナ
プリパラ側:白玉みかん、ガァルル

 おいしそうな曲を白玉みかん・ガァルルに参加させるのはいいですね~。堂島ニーナもおそらく原作では参加してないので、しれっと新規要素のはず。栗栖ここね・堂島ニーナって地方アイドルなのでレギュラーじゃないんですけど、登場回でしっかりインパクト残していくキャラですよね。ここでもしっかり出番を獲得していく。

 

コノウタトマレイヒ(プリパラ)

(緑風ふわりのソロ曲)
アイカツ側:大地のの、白樺リサ
プリパラ側:緑風ふわり

 先述の通り、これも公式Twitterで事前に公開されていた曲。これさ~~。大地のの・白樺リサが田舎(北海道)出身ということでの組み合わせですけど、どっちかというとアイカツ2期の姫里マリアとやって欲しかったなあと……。範囲が違うから無理なんですけども。ここでライブする3人とも、このあともライブの出番はあるので、この枠もうちょっとヒネれなかったかな~と思う。あるいはファルルにも参加してもらうとか……。

 

純・アモーレ・愛(プリパラ)

(紫京院ひびきのソロ曲)
アイカツ側:紅林珠璃
プリパラ側:紫京院ひびき

 「純・アモーレ・愛」のデュオ!?!?!?!?緑風ふわりでもファルルでもなく……アイカツのキャラ!ライブは良かったけどハンカチ噛んでる人もいそう。

 ここまで言っておいてなんですが、「純・アモーレ・愛」のデュオって初で合ってましたかね?以前にあったような気もする……自信ない。二人の振り付けがかなり違うライブで、見応えあったと思います。まさか紅林珠璃のフラメンコキャラが紫京院ひびきと好相性だったとは……。

 

Chica×Chica(アイカツ)

(紅林珠璃のソロ・デュオ・トリオ曲)
アイカツ側:黒沢凛、天羽まどか
プリパラ側:東堂シオン

 1曲前に紅林珠璃の出番があったのに、紅林珠璃の曲を……紅林珠璃抜きで?????いちおう、紅林珠璃と黒沢凛と天羽まどかで作中のトリオユニットになっており、そのトリオで歌った曲ではあるのですが、作中の扱いにしても曲調にしても明らかに紅林珠璃の曲。東堂シオンの側から曲を出したほうがよかったのでは……。というか、剣道の東堂シオンと薙刀の藤原みやびが手合わせする話をやったあとなので、素直に東堂シオンと藤原みやびでライブをやって欲しかった。「絶対生命final show女」でも「薄紅デイトリッパー」でもアツくない?黒沢凛・天羽まどかはこのあとデュオもあるし……。

 

lucky train!(アイカツ)

(アイカツ4期EDであり、大地のの・白樺リサのデュオ曲)
アイカツ側:大地のの、白樺リサ
プリパラ側:ドロシー・ウェスト、レオナ・ウェスト

 これはいい曲、いい人選ですね。振り付けがドロシーに合ってたと思う。もともと良いライブがうまく拡張された感じ。言うこと無くて感想が短い。

 

でび&えん☆Reversible-Ring(プリパラ)

(黒須あろま・白玉みかんのデュオ曲)
アイカツ側:黒沢凛、天羽まどか
プリパラ側:なし

 プリパラの曲を、アイカツキャラクターのみで!そういうのもアリかと思わされるライブ。黒沢凛は別に悪魔じゃないですが、天羽まどかの天使らしさから来る選曲なのかなと思います。選曲に納得感がある。黒沢凛のキャラクターに対して黒須あろまの振り付けはちょっと違和感ありましたが……。

 

Passion flower(アイカツ)

(紅林珠璃のソロ曲)
アイカツ側:なし
プリパラ側:紫京院ひびき、ファルル、緑風ふわり(トリコロール)

 続いてアイカツの曲を、プリパラキャラクターのみで……また紅林珠璃の曲を紅林珠璃不在で!?!?!?紫京院ひびきと紅林珠璃に関してはデュオライブもやったのに……。なんか扱いの偏りがある。紫京院ひびき、あるいはトリコロールに合う曲がこれしかなかったということ?うーん、疑問。

 アイカツ側が不在の中で、プリパラキャラだけでアイカツのオーラを出してる(トリコロール専用のオーラが出てる)のは見所と思う。アイカツ特有のランウェイ振り付けをプリパラキャラがやってるのも面白いところだけど、個人的にはいまいち活きてないようにも思った。

 

Realize!(プリパラ)

(プリパラ1期第3クールOPであり、1期メンバーの6人曲)
アイカツ側:藤原みやび、栗栖ここね、堂島ニーナ
プリパラ側:黒須あろま、白玉みかん、ガァルル(ガァルマゲドン)

 ガァルマゲドンの「Realize!」!?!?!?ガァルマゲドンのウィッシュリボンコーデ!?!?!?唐突にぶっこんで来ましたね……。コラボのついでに原作で歌ってない曲歌わせたろっていう……。こういうのも嬉しいね。

 一方、アイカツ側の人選は……非レギュラーの3人!いいの?いいけど……。役得かも。話の流れとしてここでルミナス(大空あかり・氷上スミレ・新条ひなき)を使うわけにはいかないとはいえ、曲の強度としてはそのくらいの格がある印象。

 

Make it!(プリパラ)

(プリパラ1期第1クールOP、作中ライブでの使われ方は様々)
アイカツ側:大空あかり
プリパラ側:真中らぁら

 1曲目で「START DASH SENSATION」をアイカツからもらったので、プリパラからはお返しに「Make it!」を出す、交換のようなライブ。こちらも映画の予告で使われていましたね。当然いい曲、当然いいライブ。演出も対になっていると思われ、この曲だけメイキングドラマがあったはず。

 主人公2人のライブがこの2曲になるのは必然ではあるんですが、出番が2回あって同じ組み合わせというのはちょっともったいないような気もする。仕方ないけども……。

 

ハッピーチューニング(新曲)

(映画用の新曲)
アイカツ側:大空あかり、氷上スミレ、新条ひなき(ルミナス)
プリパラ側:真中らぁら、南みれぃ、北条そふぃ(SoLaMi♡SMILE)

 さすがに強すぎる主役チーム+主役チームの完全新規ライブ。新条ひなきと南みれぃの髪色が合っており、氷上スミレと北条そふぃの髪型が合っているので、振り付けのところどころで収まりがいい。アイカツ1期のチーム(ソレイユ)じゃなくてこの映画ではルミナスが正解なんだということをビジュアル的に訴えかけてきますね。

 物語的にも意味を持つ、スペシャルアピールとメイキングドラマを合体させた大技、「メイキングアピール」が初登場。スペシャルドラマではいかんかったか?アイドルがライブを頑張ると問題が解決する話、プリパラでは毎期やってたような気もするけど、まあ定番がいちばんおいしいですからね……。思えばアイカツはそういう話ではない。差別化がよくできている。

 

プリティー×アクティビティ(新曲)

 ライブではなく、エンディング曲。これも新曲ですね。挿入される画像が本編を補完していたりファンサービスだったりで、うれしいエンディングでした。ドロシーが「世界の中心はここね」をやっていたり、らぁらが木を切ってたり……。

 感想を書いていて、1回観ただけでは全体的に記憶がおぼろげだと感じたので、もう1回くらいは観たい気持ちにもなってきました。また見れたら、必要に応じて追記しようと思います。

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