概要等
『Blue Prince』(Steam)
2025年4月10日発売
総合評価:★★★★
注意事項①
2025年5月6日現在、言語は英語のみ。
ルール説明、ヒント、謎かけ、フレーバーテキストのいずれも数が多いため、英語の読解が必須。
筆記体も出てくるので、単語を調べたいけどそもそも読めない、ということも発生しうる。
味わいきるにはネイティブ級の英語能力が必要そうに思う。
日本語対応されてから遊ぶことを推奨したいが、そもそも英語以外に対応するのかどうか不明。
対応するとして、日本語対応がいつになるかはさらに不明。
注意事項②
ゲームの難易度は高いと思う。
ここでいう難易度とは、ゲームシステムと謎解きが組み合わさった難易度。
ローグライク要素があるので運も絡む。
アクション性は皆無なので、操作の難易度については低い。
※※※以下、ネタバレ注意※※※
評価・感想
総合評価:★★★★
面白さ :☆☆☆☆(英語ネイティブでないため、味わいきれていない)
すごみ :☆☆☆☆(同上)
手軽さ :☆☆☆☆(クリアまでのプレイ時間:17時間)
当ブログにおける作品の評価基準についてはこちら(別記事)
発売前から高評価だったというゲーム。発売前から高評価ってステルスマーケティングでは???実際、少なくとも序盤のゲーム体験は決して「圧倒的好評」を感じるものではなかった(現に、2025年5月6日現在のsteamストアでは「圧倒的好評」ではなく「非常に好評」)。一方で、クリアまでプレイしてみたところでは、「英語ネイティブであり」「ローグライク系統のゲームが得意であり」「謎解きが大好きであれば」最高評価もありえる可能性は感じる。選ばれた人には突き刺さるゲームかも。万人向けとは思えないし、少なくとも大多数の日本人にとっては、英語のままでは遊びきれないゲームだと思う。
先述の通り、クリアまではプレイ。すなわちRoom 46到達まで。やりこみ要素がおそらくまだ相当ある。舞台となっている屋敷や家族に関する謎が全然理解できていないが、フレーバーテキストの英語が長大で難解なため、読解は諦めている。フレーバーまで味わえていれば「面白さ」や「すごみ」評価をもっと上げられたかもしれない。理解できないので仕方がない……。
ゲーム部分は、5×9のマス目に、入り口から順番に部屋の設計図を当てはめていくというパズル。一人称視点であり、探索要素もかなりある。それぞれの部屋には東西南北に繋がるドアがあったりなかったりするし、ドアを開けるのに鍵が必要だったりするので、うまく設計図が繋がらなくて行き詰まったりするとその1日は終了することになる。あるいは部屋の移動で消費する体力が尽きても終了。次の日にはまた入り口からやり直しというローグライク的なゲームになっている。ほとんどの進捗はリセットされるが、もちろん以降の周回に持ち越せる要素がいくらかあったり、探索が有利になる要素がアンロックされたり、そしてプレイヤーの脳には経験と情報がどんどん蓄積されるので、目的のRoom 46に向けて少しずつ進捗を感じられるのが面白いところだと思う。グラフィックも綺麗だし、ゲームの唯一性は高い。気になった点は、ゲームの起動時の会社ロゴおよび毎日の開始時ムービーがスキップできないこと。特に起動時のロゴはかなり長いのでけっこう大きめの減点。
ゲームのつくりやルールよりも、いかんせん「英語」が立ちはだかる。基本的なルール説明に相当する部分は分かりやすく太文字だったり、英語としても平易なものになってたりはする。しかし何も分からない新規プレイヤーにとっては、「ヒント」「謎かけ」「フレーバーテキスト」の区別が付かない。本や手紙はかなりの長文で、読もうと思ったら根性が要る。それはただのフレーバーテキストかもしれないし、あるいは何かのヒントになっているのかもしれない……。そしていずれにせよ平易な英文ではないので、根性を出したところで文意が読み取れるとも限らないのであった。結果としては、長文を読み飛ばしてしまってもゲームクリアまでは行けるようには思われたが、やはりゲームの面白さのそれなりの割合を捨て去っているような気がする。ちなみにゲーム内に「メモあったほうがいいよ」と書かれているくらいだったので、スクリーンショットを撮りまくりました。珍しい部屋の中にある文書とか、また読もうと思ったら大変だからね……。
謎解きはかなり難しいです。序盤からぶちあたるものでは、金庫のパスワードとか。ゲームクリアに必須ではないのだが、解けたらアイテムが手に入って攻略が楽になったりするし、何より気になってしまってなかなか無視できない……。幸いにして攻略情報は現時点でだいぶ出揃っているようなので、インターネットで検索すればあっさりと答えがわかる。私は実際にいくつか答えを見てしまいましたが、説明を読む限り、やはり謎解き自体の難易度が高く、自力では解けなかっただろうと思います。英語による障壁もある。それはそうとして攻略を見てしまった罪悪感は感じるのであった。そして、ゲームクリア目標である「Room 46に到達する」よりさらに難易度の高い隠し目標のようなものがいくつかありそうで、そっちの謎解きはもっと難しい。私は諦めてしまっている。このあたりまで含めて、自力で解いてやろうと奮い立てる謎解きフリークにとっては、本当に楽しいゲームなのかもしれない。そういう点でもやはり、英語の非ネイティブが優先的に手を付けるゲームではないように思う。
似てるゲームで言えば、私の好きな「The Witness」とか「Outer Wilds」を挙げることになるとは思います。思いますが、やっぱりまず第一に英語の問題があるのと、クリアに必須でない箇所とはいえ一部の謎解きの難易度がちょっと理不尽気味なこと、そしてローグライク要素と合わさってゲームプレイ自体にも独特な難易度があることは懸念点です。(※「The Witness」と「Outer Wilds」にもそれぞれ難易度の高い部分があるので、難易度に関してはプレイヤー次第ですが、とにかく第一の障壁は英語。)あと、序盤の体験がちょっと弱く、楽しくなってくるまで少し時間が要る気がします。終盤の盛り上がりは実際けっこうあったので、やるなら腰を据えて向き合うと良さそうです。主には英語と向き合うことになるかもしれませんが……。