映画感想 『イノセンス』

リンク等

イノセンス(Amazon Prime Video)

2021年12月22日現在、プライム会員特典で無料です。

上映時間99分。2004年のアニメ映画。

 

ちなみに原作漫画はこちら。

攻殻機動隊(1)(Amazon kindle本)

こちらも2021年12月22日現在、プライム会員特典でkindle版を読めるようです。

 

同監督の劇場版攻殻機動隊の前作にあたる『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の感想も書きました。こちら

 

あらすじ・概要

 前作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に続く話。原作は同じく漫画『攻殻機動隊』の1巻のようです。

 前作で草薙素子は失踪している。元パートナーのバトーはトグサを相棒とし、愛玩用人型ロボットによる暴走殺人事件を追っていく。

 

評価

総合評価:★★★
面白さ :☆☆
すごみ :☆☆☆☆
手軽さ :☆☆☆
当ブログにおける作品の評価基準についてはこちら(別記事)

 前作に引き続きこちらもたぶん以前にも観たことがあるはずと思うのですが、自信がない。中盤は確実に観たことがありました。いずれにせよ、つい最近原作漫画を読み直したので、話は結構そのまんま入ってきますね。

 こちらも変わらず、面白いというよりは、興味深い感じ。2004年時点における最先端SFアニメ演出が見所。

感想

 映像がすごく美麗な映画……という認識だったのですが、今観ると意外と3DCGが荒いんですね。荒いというのは乱暴な言い方ですけども。いかんせん3DCGの分野は日進月歩なので、2021年現在、近年のすさまじい3DCGに慣れすぎて、2004年発表の『イノセンス』では今観るとどうしても3DCGは見劣りします。もちろん、2004年当時にはかなりすごかったはずです。そして、どうしてもまだ3DCGが完璧ではなかったぶん、3DCGと2DCGを馴染ませるための工夫があちこちにあるように思います。それに加えて、SFっぽい雰囲気を与える独特な演出のオンパレードですね。そういったハイセンスな映像に舌を巻く映画だと思います。よく言えば抜群の空気感、悪く言えば雰囲気映画かも。前作に引き続き、雰囲気を出すためにセリフのない環境映像のようなシーンが多数あります。結構長い。

 前作よりもなお難解ですね。SFであるよりも思想の側面が強いかも。特に今作は、登場人物のセリフの半分くらいは何かしらの引用になっているのですが、これは正直私は鼻につきました。それはもちろん、引用元や言葉の意味が、私にはすぐには分からないからですが……。カッコつけすぎ、ふかしすぎじゃないかなぁと思いました。作中の人物は電脳化されていて、ネットを検索してパッと口に出せるみたいですけどね。私は電脳化されていないので……。ことわざや故事に詳しい人だったら倍以上楽しめるのかもしれません。私はだいぶ引用しつこいなと思いました。私程度の知能で視聴するには、娯楽としては説明不足。

 前作の最後に少佐こと草薙素子が失踪してしまうので、今作ではわずかに声のみの出演となります。むさ苦しい!バトーくんもハードボイルドでかっこいいので良し悪しですが、華に欠けるところはありますね。その代わりバトーくんの飼い犬はかわいい。

 総じてやはり、発表年次における全力SFアニメ技術のプロモーションビデオのような映画でした。前作に引き続きね。原作として使っている漫画の話数が前作より少ないので(第1巻の第6話のみ?)、尺の割には話の内容が少ない感じもしました。前作には、第1巻の全体から要点を繋ぎ合わせて82分の映画にした要約のスマートさがあり、今作には、たった1話から話を膨らませて99分の映画にした掘り下げの精緻さがあるとも言えるかも。

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