ゲーム感想 『アークナイツ』(メインテーマ8章およびエピソード「孤星」まで)

概要、背景

アークナイツ
プラットフォーム:スマホゲーム(笑)ソシャゲ(笑)
中国Hypergryph社のゲーム。
中国では2019年5月1日、グローバル版は2020年1月16日サービス開始。

私はグローバル版を2023年12月2日からプレイし始め、記事に着手したのは2024年4月16日です。
4ヶ月半ほどプレイしたことになります。
課金アイテムは4,950円分購入しました。(月パス650円を3回と、招聘指名パック3,000円を1回)

ちなみにTwitterおよび途中からBlueskyにて投稿していた記録はこちら。
Twitterのツリー、および途中から移行したBlueskyのツリー

 

「孤星」というエピソードが面白いという話を聞いて、興味を持ってプレイ開始しました。
先に結論を述べると、「孤星」のためだけにプレイするのであれば割に合わないと感じました。
そもそもサウンドノベル形式のストーリーを読み進めるのが苦手という自覚はあります。
良いところにも触れるつもりですが、アークナイツを全面的に褒めるような記事ではないため、読み進める場合はその点をご了承ください。

 

なおプラットフォームについては、PC上のAndroidエミュレーター(BlueStacks)で遊んだのが9割、Androidスマホで遊んだのが1割という感じです。
エミュレーター使用については特に禁止されていないタイトルのようです。

 

 

全体の評価

※ゲームを開始してから特定のストーリーを読み終えるまでという、かなり限定的な遊び方をした場合の、私個人の評価です。

 

総合評価:★★
面白さ :☆☆☆
すごみ :☆☆☆☆
手軽さ :☆    (毎日起動して、4ヶ月程度かかった)
当ブログにおける作品の評価基準についてはこちら(別記事)

 

 当たり前と言えば当たり前なんですが、おそらく、時間をかけてアークナイツのゲームと世界をじっくり味わっている人にとってこそ「孤星」は素晴らしいエピソードになるのであって、「孤星」だけを目当てに駆け足でアークナイツを消化しても、同じ体験はできないんだろうなと思いました。

 アークナイツは、スマホゲームとしては遊び甲斐のあるタイトルだと感じています。プレイ開始から4ヶ月が経過した現在は、ゲーム部分をけっこう楽しめているため、面白さの評価を星3にしました。しかし「ゲーム開始直後の体験の悪さ」はかなり印象に残っています。「3ヶ月経ったあたりでデータが育って楽しくなったけど、最初はしんどかった」ということで、総合評価を星2にしています。序盤ステージの難易度もしくは育成要素を緩和しないと、新規プレイヤーには厳しいのではないか。

 

 以下、ストーリー部分とゲーム部分に分けて感想を続けます。ストーリー部分の感想については、ストーリーのネタバレをモロに含みます。ご注意ください。

 

ストーリーの感想 ※ネタバレあり

※ストーリーのネタバレをモロに含みます。ご注意ください。

 私が読んだのはだいたいメインテーマ0章~8章、ライン生命関係のサイドストーリーのみなので、そこだけ読んだ人の感想です。他の部分はほとんど知りません。「そういう読み方をした個人の感想」です。

 

世界設定について

 独特な世界設定になっていることは評価できます。人種が大量にあり、中年成人男性キャラクターにも平気で猫耳が生えている。全体としてSF要素があり、ところどころ興味は惹かれる。惹かれるが、いかんせん謎が増える一方で答えは見えてこない。

 2番目に大きな難点として(1番目は文章の長さ)、ファルシのルシがコクーンでパージしている。オリジナルの固有名詞がめちゃめちゃ多い。「以前出た用語を忘れちゃったのかな?」などと思ってググろうものならネタバレのリスクを負う。私はニワカなのでまるで固有名詞がわからず、攻略wikiに併設されている用語集に目を通しました。何がネタバレなのかすらもわからぬまま。

 どうやら国家については、現実の国や地域をモチーフにしているようですね。そのことを知ったうえで、対応する語句を暗記すれば、かろうじて何とか読めるようになってくる。クルビア=アメリカとか、ウルサス=ロシアとか。でもこれをゲーム内のテキストだけから読み取るのはほとんど不可能な気がする。ファン同士で話し合ったり、考察サイトを見る前提なのかな?私はアークナイツ攻略wikiの「国家と勢力」ページをお気に入りに入れました。

 ゲームの個性として、男性キャラクターに強いと思います。比率で言えば女性キャラクターのほうが多いんですが、女性キャラ萌え萌えソーシャルゲームなら他にいくらでもあるため、そこは個性にならないというか。女性キャラクターが目当てなら別のゲームやるほうがよさそう。女性キャラクター全員が無条件で主人公に惚れてるみたいな設定じゃないのはいいですね。あと平均身長が妙に高い。

 

メインテーマについて

 アークナイツのメインテーマは、重厚だと言えます。鬱ゲーというほどではないと思う。ガチャ商売である以上、操作可能な仲間キャラクターは死なないのだ。しかしひたすら暗い。すなわち世界は問題に溢れており、主人公陣営は気持ちよく勝てず、いい人から死ぬ。

 そして何より、とにかく文章量が多い。「一つの章あたりの文字数が多い」と「一つの章で話が全然進まない」の二重苦。0章で敵としてレユニオンが現れるけど、正直チュートリアル用のザコ敵だと思ってたから、そのまま8章までずっとレユニオンの話だったのは悪い意味でビビった……。

 メインテーマは、ひたすら似た内容を繰り返している気がする。パターンも同じ。主人公陣営の正義は、「目の前の犠牲を見過ごさない」「今は全員を救えず、犠牲を出すこともある。しかしその犠牲を正当化しない」「世界をよい方向に進める。その目的を見失わない」という感じ。一方の敵陣営にも正義があり、自分が所属する国だったり組織だったりのために戦っている。敵役がいい人の場合もたびたびあり、主人公代理が「私達は手を取り合えるはずです!」みたいなことを言うも、衝突を避けられず、殺してしまう展開が多い。敵のいい人は必ず死ぬし、死ぬ人はめちゃくちゃ長い過去描写が行われる。ムカつく敵の場合は死なない(これ他のゲームでもよくあるけどマジで何?)。味方のほうも有能な人物ほど死ぬが、操作可能でないキャラに限る。そして、戦いの当事者達は家族同士や幼馴染同士であることがめちゃめちゃ多い。これは完全に作者の趣味だと思う。

 長い文章の中に気持ち良さが相応にあればいいんですけど、話の暗さが相まって、「長いばかりで気持ちよくさせてくれない」というのが私の感想。それを「重厚なストーリー」と言うのであれば、それを好きな人にはたまらないのかもしれない。私向きではなかったね。

 

ライン生命のストーリーについて(コミック版ライン生命、孤島激震、翠玉の夢、孤星)

 面白くなかったとまでは言わないのだが、端的に言えば、期待したほどSFでなかった。SF要素はあるし、SF部分は確かに面白いんだけど、いかんせん全体の文章量に占める割合が小さい。個人的には、「孤星」を受けてテラがどう変化するのかというエピローグこそ見たかった。が、ソシャゲなので、答えはずっと先までおあずけなのであった。

 私のアークナイツ理解はおもいっきり付け焼き刃の状態なので、ライン生命シリーズから適切なSF要素を感じ取りきれていない可能性はある。そうであれば残念である。そうはいってもここまで4ヶ月もかけてしまっているので、費用対効率を考えると、良質SFとは判定しかねる。

 登場キャラクターはおおよそ魅力的だと思うんだけど、残念なことに、ほぼ主人公扱いとなるサイレンスを好きになれなかった。せっかくの眼鏡っ娘なのに(眼鏡取るけど)。アークナイツでは敵役の思想となる「犠牲を出してでも科学を発展させる」のほうに私は共感してしまうので、それを止めたい役柄のサイレンスの行動は好きになれなかった。あと、サリアに会いたがってるイフリータからサリアを遠ざけてたのは、ただのエゴでは?

 結局、SFほとんど関係ない「孤島激震」が一番面白かったかもしれない。たぶん一番短いし……。マウンテンは強くてかっこいい。最後のサリアのエントリーも笑えた。「翠玉の夢」から先はホルハイヤが出てくるんだけど、こーゆー敵役は楽しくない。作者が好きなんだろうなあ。

 「孤星」について、個人的には、SF以前に話の造りが崩壊してると思いました。クリステンを止める話なのに、クリステンを止められなかったから、全てが徒労になってしまっているんですよね。サイレンスに至っては無駄な恩師キルまで発生してるし……。もちろん、クリステンが宇宙進出するのが「孤星」最大のSF要素なので、話の面白さという観点から、クリステンを止めていいわけはない。つまり、クリステンを止める話になっていたのがそもそも構造的におかしいと思いました。クリステンに協力する形で推移して、最後にクリステンに裏切られれば十分アークナイツ的じゃないですか?あと前半の副大統領まわりは全く要らないので、文章量は半分にできると思います。

 「星のさや」は興味を惹かれる設定だし、ドクターとケルシーのほうでは物語の重要な部分をかなり開示してた様子を感じ取れます。総じて、「これまでも、これからもアークナイツと向き合っていく覚悟のある人」が「永遠に続くアークナイツ・サーガの一部として」楽しむ分には最高評価たりえるエピソードなのかもしれないけども、「孤星」までのライン生命ストーリーを部分的に切り抜くだけでは、ちょっと楽しみきれないと感じました。

 

おまけ:サイドストーリー「火山と雲と夢色の旅路」

 アークナイツ4周年イベント。メインテーマ8章や孤星とは関係なく、プレイ期間に重なっていたため、なんとなくストーリーを読みました。これも続きものの話で、「青く燃ゆる心」の続きになっているそうですが、いくつも読むのはしんどいので、これだけ読んだ。結果として、このイベントは良い印象が残っています。

 話そのものが超面白かったわけではないんですけど、イベント全体の雰囲気が超よかった。雰囲気が良かったというのは、舞台が海辺の街だったり観光がテーマだったり、それに関連してイベントのトップページやミニゲームのUIなどがめちゃくちゃオシャレでかわいかったり、登場する羊のモンスターがかわいかったり、イベントのアナウンスPV(公式YouTube)がよく動いてすごかったり、とにかく音楽(YouTube再生リスト)が良かったり(特にイベントのトップ画面で流れ、昼夜によってバージョンが変わる「Misty Memory」がめちゃめちゃオシャレ)、って感じです。「アークナイツは音楽がいい」とも聞くことはあったんですけど、正直全然ピンと来てなかったです。でもこのイベントの曲は文句なく良かった。とにかく「Misty Memory (Night Version)」(YouTube)に持ってかれた感がある。(「孤星」も、イベントトップ画面の「Ad astra」はかなり良いですね。)

 メインテーマを読んでいて「アークナイツってずっと似たような話なのか~?」と思っていたので、雰囲気の違うこのイベントを読めたのは良かったな~と思います。あとは「理想都市」とかも読んでみたい気はする。ただいかんせん、サウンドノベル形式で長い文章を読むのがしんどい……。

 

ゲーム部分の感想

 全体の評価のところにも書いたんですが、今はゲーム部分を楽しめています。最高レアのキャラクターを6体育成し終えたところ、ノーマル難易度ならわりと余裕を持ってクリアできるようになりました。攻略を見ずに手持ちでクリアできる状態になると存外に楽しく、つい先日(2024年4月16日)に実装されたメインテーマ13章まで一気にクリアしてしまいました。9章以降についてはストーリーはスキップしてるんですが……。

 一方で、キャラの育成が足りてない序盤は、「YouTubeで低レア攻略動画を探して完コピする」という作業をしていました。2ヶ月くらいはずっとこれだったと思います。これがまあ~作業。もちろん、「自然なプレイスタイルでキャラクターが育つまで待ち、それから先に進めばいいのでは?」という指摘もできると思います。それに耐えられる人がいるとして、それだと何ヶ月かかるのかわかりませんが……。

 ようは、データが育つのと、私の中でゲームプレイのノウハウが蓄積されるのとで、どちらも3ヶ月ほどかかったという感じです。私は攻略サイトを読むのが好きで、結構いろいろと情報を見たうえでコレなので、私としては「ゲーム序盤の体験がイマイチ」という評価になりました。一方で、十分に育ったデータを前提とすれば、ソシャゲ・スマホゲームとしてはちゃんと遊べるゲーム内容になってるとは思います。

 「基地」について。基地はなかなか面白いと思います。序盤のモチベーションは基地で保つしかないと思う。放置しながら育成素材が手に入るというもので、基地を拡張していくゲーム内容は他でもちょいちょい見かける感じのものですが、作業は作業でも面白い作業という感じ。

 ガチャについて。ガチャ石は細々と貰えるんですが、限定キャラが排出されるガチャか、よほど強力なキャラがピックアップされているガチャ以外は回せないのがソシャゲの常なので、あまり回す機会を得られず。幸運にして強キャラをいくらか確保できたので、それを育てて済ませています。面白いのが「公開求人」という仕組みで、時間と運次第で一部のガチャ排出キャラを無料で手に入れることができる。たぶん、いくつかのブラウザゲームに昔からあったやつと同様の仕組みなのかな?最高レアの星6はまあ滅多に出ないんですが(私は4ヶ月半やっていて通算2回)、序盤攻略の要となる星3・星4のキャラをけっこう集められるので、ガチャを回さずとも何とか楽しめるし、戦力もある程度揃えていける。ちなみに最高レアとなる星6キャラの多くは大器晩成で、育成素材をめちゃめちゃ要求するため、早期に入手してもしばらくは使いものにならない。そのため、序盤は星3・星4のキャラを主力にせざるを得ません。

 課金要素について。私がゲームを開始した当時、ソシャゲによくある「3000円で最高レアのキャラを1体入手できる権」が販売されており、それを買って「ムリナール」を入手しました。当時どの攻略サイトを見ても「初心者ならムリナールが最優先」と書いてあったもので、これは実際に正解だったと思っています。異常に強く、攻略スピードと快適さを相当押し上げたと思う。あとは、最初の3ヶ月は「月パス」を買っていました。これもソシャゲによくある、毎日のログインが必要な代わりにコストパフォーマンスが破格となっているもの(あくまで、他の課金アイテムと比べた場合に破格)。後悔はしてないし、これから追加でお金を払うとしたらまずこの「月パス」ですが、現状としては必要ないと考えて購入を控えています。私は結局買いませんでしたが、アークナイツはこれ以外にも育成素材をまとめて入手できるパックが多数販売されており、それ自体は私は面白い仕組みだと思っています。お金で時間を買えるなら、買ったほうがいい。そもそもの話では、ソシャゲの課金アイテムでなく買い切りのゲームを買ったほうがいいですが……。

 

あとがき

 どこかに感想を書き出しておきたかったので、書いた。この記事はあくまで感想の記事ですが、気持ちとしては、これまでに育てたキャラクターについてひたすら書いていく記事も別に作りたい。

 2024年4月22日追記:書いた。リンクはこちら(当ブログ記事)。

 

 

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