ゲーム感想 『The Planet Crafter』(プラネットクラフター)

概要等

The Planet Crafter(Steamストアページ)
2024年4月10日正式版リリース

 

評価

総合評価:★★★★
面白さ :☆☆☆☆
すごみ :☆☆☆☆
手軽さ :☆☆  (実績をすべて解除して、総プレイ時間56時間。)
当ブログにおける作品の評価基準についてはこちら(別記事)

2024年4月~5月にプレイ。公式日本語あり。バージョンは1.0、ゲームモードはノーマルでプレイ。
マルチプレイに対応していますが、ここでは完全にソロプレイの話をします。マルチプレイは、誰かがホストとなって、招待コードを使って集める形態らしい。

 

感想

 面白かった。良作の宇宙SFゲームです。ただ、50時間もかかる予定ではありませんでしたね……。ボリュームを見誤った。私はゲームモード「ノーマル」で50時間かかりましたが、イージー難易度にあたるゲームモード「リラックス」では進行速度が1.2(倍?)となっていますし、カスタム設定であれば最大で2(倍?)まで調整できるようなので、プレイ時間の短縮は可能かと思います。その場合にゲーム体験がどうなるかは分かりませんが……。

 ゲーム内容ですが、ストア内の説明から読み取れるように、大気もない不毛な惑星をテラフォーミング=地球化することが目的。序盤はSF小説『火星の人』を感じる。テラフォーミングにいくつか段階があり、完全な無生物の状態でまずは酸素を増やしたり惑星全体を温めたり、そこから植物の栽培を始めて、ついには動物を!という感じ。これらの段階はシームレスに続いており、変化の中で惑星の景観とゲーム内容が少しずつ変わっていくのが面白いところ。スタート時には一面ほとんど灰色のゲーム画面が、いずれ緑に溢れたゲーム画面になるのは感動的です。最終的には爬虫類とか哺乳類っぽいのも出てくるのですが、これはオマケ的な感じなのであまり期待されぬよう。虫はそこそこ取り扱うことになるので、あんまり虫が苦手だと厳しい段階があるかも。出てくる虫は具体的にはイモムシ、ミツバチ、蝶。あと両生類ですがカエル。

 こう見るとサンドボックス的なゲームにも思われますが、実はストーリーがあります。そのため、マップは固定(初期地点はカスタム可能)。読まされるテキストの量はだいぶ少ないですが、テキスト情報が進行に関わってくる部分も。主人公は悪徳な宇宙開拓会社に身柄を抑えられてしまい、危険な惑星に単身送り込まれしまうという、宇宙モノではたまに見かける感じの出だし(『Journey to the Savage Planet』とかモロにそう)。そして、単独で惑星をテラフォーミングすることになります。単身かつ短期間でテラフォーミングできるわけあるか!というツッコミは避けられませんが、そこはゲームとして割り切るほかなし。

 ストーリー上は単身ということになってると思いますが、ゲームはマルチプレイに対応しているようです。私は完全に1人で遊んだので、マルチプレイがどういう感じになるかは不明。一人がホストして、そこに他のプレイヤーを招待するという感じみたいです。レンタルサーバーを借りて参加者は自由にアクセス……みたいな感じではない。上述の通り実はストーリーがあるので、多人数で進めるより一人でじっくりやりたいと私は思いました。とはいえゲームプレイは作業の割合も大きいので、人手を集めたらそれはそれで楽ができていいのかもしれない。全員が初プレイだとどうなることか想像もつきませんが……もしかすると『RAFT』とかそういう感じのプレイ感になったりするのかもしれない。私はそれらのゲームをやったことがないですが……。

 具体的なゲーム内容ですが、資材を集めて、テラフォーミングの要素となる酸素だとか熱だとかを増加させる機械をひたすら作っていきます。機械を動かすための発電機も作ったりね。生きるために酸素と水を確保しなくてはいけなかったり、隕石が降ってきたりといった身の危険はありますが、いかんせん未開拓の惑星なのでモンスターとかは出てきません。資材としては「鉄」とか「チタン」とかがあるのですが、これらは地表に無造作に置いてあり、それをクリックして掘り出すだけなので、ゲームを始めて早いうちはリアリティが低いような印象もありました。思ったよりゲームのボリュームがあったこともあり、一通り遊んでみた今では、「リアルさを求めてこれ以上複雑にしたらゲームの要点を損なうかも……」とも思っています。

 そして、先述しましたがマップは固定。しばらく遊んでいると、マップ上には難破船があることに気付きます。どうやらこの惑星には先客がいたようですね。このあたりがストーリーに関わってきます。ストーリーもSF的で私は好きでしたが、一方で「純然たるテラフォーミングのシミュレーションゲーム」を期待した場合、いくらかノイズにはなってくる気がします。ここは好みが分かれるかもしれませんね。

 レベルデザインも意外にしっかりしていて、作業ゲーの要素は否めないながらも、私は50時間飽きずにプレイできてしまいました。少しずつ作業が変化したり要素が増えたりしていくので楽しめちゃうんですよね。ただし、最後の6時間は実績のために同じ作業をひたすら繰り返していたので、これはさすがにイマイチでしたね……。

 総じて、惑星レベルの宇宙SFが好きな人にはオススメできます。テラフォーミングって何?くらいの認識だと、作業内容を楽しめないかも。そういうSFが好きな人にとっては、貴重なゲーム体験になると思います。たった50時間で惑星をテラフォーミング、しちゃおう!(私のプレイ時間は50時間程度でしたが、人によって大きく変動する可能性はあると思います)

 

ちょっとした攻略情報

 私が悩んだところなどをせっかくなので書いておきます。

 

スタックを解除(地形ハマりから脱出する機能)

 地形にハマって抜け出せなくなった時のための機能が「スタックを解除」です。キーコンフィグで設定でき、デフォルトならキーボードはF4キー、コントローラーはRB+左スティック押し込みです(XBOXコントローラーの場合)。といっても私は50時間のプレイで2回ハマったくらいで、どちらも「スタックを解除」に気付いてないままボタンをガチャガチャして何とか脱出はできていました。とはいえ、知っていれば焦らずに済むと思うので。

 

ストレージを開く時のカーソル位置を変える操作

 これはコントローラー操作時の話。通常、ストレージを開く時は、自分の手持ちである左側にカーソルがある状態で画面が開かれます。右側に表示されるストレージの中に物を入れる時はこれでいいのですが、ストレージの中から物を出したい時はちょっと不便です。そこで、ストレージを開ける直前にちょびっと右入力を入れると、右側にカーソルがある状態で画面を開けることを発見しました。けっこうタイミングがシビアだけどいちおう再現するので、コントローラーでやってて不便を感じてる人はちょっと試してみてね。謎の操作だなーとは思う。

 

藻類の入手方法

 私が一番悩んだのがこれ。ずっと気付けなかった。これのせいでプレイ時間伸びた疑惑もある。すぐ気付く人は何も悩まないかも……。

 「藻類」は、「藻類発生器」を水面に設置したあと、しばらくすると水面下に発生しています。水中方向に伸びているやつ。近付くと採集できます。

 

ドローンの使い方

 だいぶ終盤ですが……ドローンが解禁され、自動化ゲーが始まります。しかしドローンの説明がピンと来にくいと思う。いちおう、ドローンステーションの右側のディスプレイに説明は書いてある。

 ドローンステーションを作ると、まず、自分で作ったストレージや装置において「物流システム」の設定ができるようになります。ロッカー型ストレージとか鉱石採掘機とかを開いて、コントローラーならセレクトボタン(XBOXコントローラーでいうところのBACKボタン……いまはビューボタンなのか?)。そこで、「需要」と「供給」を設定します。ストレージから運ばせたいアイテムを「供給」として設定し、ストレージに運び込ませたいアイテムを「需要」として設定します。

 たとえば、鉱石採掘器を選んで、「供給」に鉄を選びます。そして任意のロッカー型ストレージを選んで、「需要」に鉄を選べば、ドローンが鉱石採掘機からストレージに鉄を運んでくれるわけです。「供給」も「需要」も複数選べますので、鉱石採掘機であれば鉄・チタン・マグネシウム・アルミニウム・コバルトをすべて「供給」に設定する手もあると思います。設定の仕組みが分かれば、大気水収集機から水を運ばせたり、いろいろな応用が考えられます。

 この設定をしたうえで、ドローンステーションの中央のディスプレイからドローンをクラフトすれば、ドローンがアイテムを運び始めます。ストレージや装置の距離はおそらく気にせずに運び始めますが、長い距離を運ばせようとするとだいぶ時間がかかるので注意。自動化を進めていくには、ドローンをたくさん作る必要が出てくると思います。

 「供給」がなくても「需要」さえあればドローンが運んでくれるものもあります。上にも書いた藻類とか、屋外農場で育てた小麦とカカオなど。便利。遠い位置の藻類発生器まで藻類を拾いに行ってしまう可能性があるので、藻類を運ばせる場合は遠くの藻類発生器を解体しておいたほうがよいと思われます。

 「優先順位」の設定については、私も完全には理解していないのですが、「5」が最優先となるようです。「-1」が最低。例えば、「需要」として鉄を設定している鉄用のストレージが2つあるとして、優先順位が1と0であれば、まず優先順位1のストレージから埋めて、優先順位1のストレージが満杯になってからはじめて優先順位0のストレージに運び込まれるようになると思います。優先順位の初期設定0なので、優先順位-1の需要をシュレッダーに設定しておけば、「ストレージが満杯になったら余りはシュレッダー送りにする」という自動化ができます。シュレッダーの「満杯時に自動で破棄」設定がここで活きてきますね。なお、「供給」側の優先順位設定はよく分かりませんでした。同じアイテムの供給が複数あれば、優先順位が高いほうから持ってくようになるのかな?

 

クッキー

 食べ物は最終的にクッキーを使っていました。移動速度アップがけっこうありがたい。屋外農場を8つ作り、半分ずつカカオと小麦を作れば、クッキーを常食するだけの素材は作れました。カカオと小麦はドローンに収穫させてストレージに集め、そこからオートクラフター3つでクッキーまで作るとよいと思います。

 

ポータルジェネレーター内の難破船の攻略方法

 基本的に、左右どちらかの壁をずっと辿ってればよいです。左と決めたら左、右と決めたら右をひたすら辿っていく。それでいつかは金庫に辿り着き、最終的には入口に戻ってこれます。内部構造を覚える必要なし。一応ごくまれに、隣接する位置にハシゴがあってループに陥ることがあります。この場合だとハシゴを意図的に避けないと抜け出せなくなりますが、滅多にないです。

 カードキーは、金庫の部屋を開けるのに使います。難易度3で1個、難易度4で2個、難易度5で3個のようです。1つの難破船の中に3個どころか最大で8個?とか落ちているので、最初に挑戦する難破船以外では基本的に余ります。難易度5だけを周回する場合でも、カードキーを3つ持ち込み、中で3つ回収するようにすれば、在庫がずっと減らないはず。ちなみに、難易度=金庫の数だと思われます。

 たまーに、水没しているフロアがあります。酸素が減るし移動もしにくくて厄介ですが、上の手順で壁に沿って爆走していれば、いずれ上下のフロアに移動して呼吸できるのもあり、酸素カプセルなしでもクリアできました。

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