映画感想 『ムトゥ 踊るマハラジャ』(字幕)

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ムトゥ 踊るマハラジャ 5.1chデジタルリマスター版(字幕版)(Amazon Prime Video)
2023年5月2日現在、プライム特典にはなっておらず、レンタルもしくはPlus GAGA加入が必要。

上映時間165分。
1995年のインド映画。日本では1998年公開。

 

評価・感想

総合評価:★★
面白さ :☆☆
すごみ :☆☆☆
手軽さ :☆☆
当ブログにおける作品の評価基準についてはこちら(別記事)

 

 公開当時は大ヒットし、日本にも大きな影響を与えたという作品。が、さすがに古い!いま観るには、テンポの悪さと、年代も国も違うことからくるユーモアの感覚の差で、かなり厳しいものがあると思う。2時間45分だぞ!

 ストーリーは恋愛+勧善懲悪で、(おそらく)コミカルなシーンも多く明るい話ですが、いかんせん感覚が1990年代のインド。日本公開当時としても、いささか古くさいイメージがあったんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。具体的な物語としては、使用人として働く有能な男、その真の出自とは?みたいな話です。原作があるようですが、インドの物語って出自絡みの話が多かったりするのでしょうか。『バーフバリ』も似た感じですよね。母親の名前もシヴァガミで共通していますが……これは単にインド母親頻出名称なのかな?

 インド映画のイメージ通り(というか、この映画によってできたイメージかな?)、曲やダンスが頻繁に挿入されること自体はミュージカル的で楽しいと思いますが、1曲の尺が相当長く、冗長。ミュージカル以外にも冗長なシーンがかなり多く、今風に編集されたら普通に2時間切るんじゃないかと思います。特に序中盤がしんどい。同じようなシーンの繰り返し回数が多い。一転して最後の1時間くらいはどんどん話が進む。オチ周辺に限れば、もうちょっとボリューム増やしてもいいくらい。要するに、尺の配分があまりうまくないような……。

 良いところとしては、映像にインドの広大さとか、物量を感じ取れる。エクストラなのか役者なのかわかりませんが、わらわらと人が出てくる。動物も。特に馬車が大量に出てくるシーンはすごかったです。すごかったですが、そのシーンもまたひたすら長かったな……。日本映画とも欧米映画とも違う空気感を持つ映画なので、新鮮な刺激を持っていたことは間違いないと思います。さすがに2023年の感覚で(それも『バーフバリ』や『RRR』といった最新インド映画の大作を知ったうえで)評価するのは不当という話でもある。逆に考えれば、1995年にはこの水準だったインド映画が、今では完全に世界最前線レベルになっているという、その成長ぶりに驚かされますね。

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