映画感想 『ホテル・ムンバイ』(字幕)

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ホテル・ムンバイ(字幕版)(Amazon Prime Video)
2023年4月25日現在、プライム特典にはなっておらず、レンタルもしくはPlus GAGA加入が必要。

上映時間125分。
日本では2019年公開。
2008年にインドで実際にあったテロ事件を題材とした映画。

 

評価・感想

総合評価:★★★
面白さ :☆☆☆
すごみ :☆☆☆☆
手軽さ :☆☆
当ブログにおける作品の評価基準についてはこちら(別記事)

 

 題材が題材だけに、「楽しい」ということはまずない映画。もっぱら「この映画のおかげで事件を知り、その凄惨さの片鱗を感じ取れた」という正の感想と、「実際に起きた悲劇を、多少なりとも娯楽性を持つ映画にすることに十分な正当性はあるのだろうか」という負の感想がせめぎあうところ。

 正直なところ、事件について知るならば、インターネットで記事などを読めばそれでいい気がする。映画の存在から実際の事件さえ知ったなら、あとは映画の中身を見なくとも。先述のとおり、映画の内容はけっして楽しいものでもない。息が詰まるようなシーンが延々と続く。

 映像や演技については文句なし。立ち向かうホテルマンに魅力はある。綺麗なホテルでテロリストが銃を乱射するシーンというのも、映像としての力があると思う。しかし、そういう面から褒めようとするのも不謹慎になってしまう気がする。

 実際にもそうなんだろうと思われるが、誰も幸せにならない話。そのあたりを余計に考えていっても、宗教が……戦争が……支配が……などと、こと日本から考えたところでどうにも無関係がち、無責任がち。考えたところでことさら事態が改善するわけでもなし、「悲しい出来事だったね」と悼むくらいしかできないのではなかろうか。ずしりと重いボールを体の正面でただ受け止めるのみ、みたいな映画体験でした。仮に気に入ったとしても、「ホテル・ムンバイ最高!面白い!」みたいな風には言えまいね……。

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