感想 プロメア

すごいアニメーションでした。
なんかこう……オサレな感じ……。
かなり作り込まれた作品なのではないでしょうか。



▼▼▼良かったところ▼▼▼

・映像がすごい。
 技法とか全然わからないので詳しくはなんも言えないのだが、
 映像の品質も演出もすごかったと思う。(小学生並の感想)
 劇場コマーシャルでも使われていた、竜が炎を吐くところなんかは
 ずいぶん気持ちいい映像だと思う。

・主人公側が氷属性で、敵が炎属性というのが新鮮だと思った。
 単に消防モノだったら水(消化剤)になるところ、思いっきり氷なのがいいですね。
 燃え方もハデだけど、ありえん速度でバキバキ凍ってくのは爽快感あったと思う。

・世界観が分かるように構成されていて配慮を感じる。
 1本で完結する作品なので、世界観を説明しながら話を進めねばならず、
 その辺はきっと大変なんだろうなあと思う。
 一つ一つのシーンに説明が散りばめられているのだろう。

・リオくんがマブい。

・出番は少ないけどレミーくん(眼鏡隊員)もかっこいいですね。
 眼鏡の男キャラは基本的には嫌いなんだが、レミーくんは好印象。

・女の子はルチアちゃんが好き。
 エリスさん(アイナの姉)も眼鏡っ娘でよいですね。

・事前に聞いてはいたけど、確かにグレンラガンだった。
 キルラキルは見てないので分からず。
 多分ファンサービスも意図しているのではなかろうか。

・演出が面白い。特にキャラ名とか武器名が出るやつ。
 ちょっと日本語読みにくいけど……。
 戦闘シーン中に、武器名が画面内に追いとかれたまんま次のシーンに進むのが面白かった。

・理屈っぽくやるところと、理屈を無視してハデにやるところがバランスよいと思う。
 ラストバトルかと思ったら、どんどん強いのが出てくる終盤の勢いが面白い。

・ガロとリオの人工呼吸シーンは良かった。話題性。
 要するに男と男のキスシーンなんだけど、人工呼吸だから必然性があるし、
 妙に長い間も自然で、やるな~と思った。
 事前にリオが他のキャラに人工呼吸しているのと、
 ガロは隊員だから救命措置の心得があるところ、
 それにバーニッシュの生態が説明されているために人工呼吸の納得感があるのが良かった。


ということで全体的には良い映画だと思う。
のだが、多分自分の性格に問題があるんだとは思うが、気になる点もいくつかあり……。
以下、ぐちぐち書いていくので、気持ちいい感想だけ見たい人はここでウィンドウを閉じよう



▼▼▼良くなかったところ▼▼▼

・クレイの声が浮いてる。声優使え。
 中盤以降の興奮したクレイの声はマシなんだけど、
 平常時のクレイの声が嫌い。違和感ある。

・ネズミ(ビニー)の声が汚い。声優使え。
 ネズミに関しては全体的に存在意義が分からん。
 話に何も関わらず、汚い声を撒き散らすだけである。トリミングしろ。
 いまどきネズミ色のただのネズミで全然かわいくないのも不満。
 ハムスターでも何でもいいし、ピンク色にするなりなんなりあるだろと思う。
 かわいくない。

・劇場コマーシャルの時点でクレイが黒幕っぽいのが分かってしまう。
 そこは隠せ。

・グレンラガンすぎるのも問題で、グレンラガンをスケールダウンした話みたいな印象。
 終盤で話がどんどん大きくなるのはもちろんプロメアでも面白い点なのだが、
 グレンラガンと展開が似ているため新鮮ではない。

・これは単なる自分の趣味の話ではあるんだが、
 主人公のガロが美少年だったら色々と盛り上がったろうになあと思う。
 ガロが美少年だったら、ガロ⇔アイナもガロ⇔ルチアもガロ⇔リオも
 ガロ⇔イグニス(隊長)も途中でちょっと会話するだけのガロ⇔エリスも、
 かなり俺好みの関係性になったような気がする。
 ガロは嫌いではないのだが、ことさら魅力も感じず。
 リオの美形さ、強大な能力、固い信念に対して、
 ガロの魅力は感じきれなかったところがある。

・ていうかガロとアイナはこれグレンラガンのカミナとヨーコだよね?
 思い入れがあるのか何か知らんけど、自分は別にそれを求めてないというか……。
 ちなみにカミナはもちろん好き。ヨーコはきらい(作品に対して下品すぎると思うため)。
 一方でガロとアイナは、どちらも可もなく不可もなく……。マイルドになったカミナとヨーコ。
 ていうかアイナの出番がいまいち地味じゃないですか?
 ただ、エリス(姉)よりアイナのほうが背が高いっぽいのはなんか良かった。(趣味)

・キャラが多すぎる気がする。こんなもんかもしれんが……。
 一部キャラ以外は出番が少ないため、序盤に頑張ってキャラを覚えようとしたのは無意味だった。

・正直ちょっと長かった。若干だれた。
 最初の、東京やらパリやらで人がキレてバーニッシュになる演出とか長くない?
 そんでリロデガロン対クレイザーXの戦闘シーンが長すぎてしつこかった。
 これはまあクレイの声がウザいので不愉快だった部分はある。

・はっきり言ってウザいキャラがちらほらいる。
 具体的にはリオを裏切るバーニッシュの老人とヴァルカン大佐。
 老人は、いちいちコミカルな演出で画面に出てくるわけだけど、普通に不快。
 ヴァルカン大佐は序盤からヘイトを集めるキャラの割に、懲らしめられるわけでもなく、
 何より最後に突然、小人であることが判明するのが意味なすぎてムカつく。
 なんか「思いついたから入れました」みたいな感じで雑じゃない?面白くない。

・よくあることだが、主人公側の正義感に共感できない。
 「地球が滅亡の危機にあるから少数だけでも生き延びさせる」という理屈に対して
 「少数でも犠牲を出すのは許しませ~~~ん 全員生存しか認めませ~~~ん」というやつ。
 じゃあ全滅した時の責任はどうするんだよ、と思うのね。
 とはいえそういう物語だから、
 「ホ~ラ全員生存ルートあったじゃねーか、これが正義だ!」つって終わるんだけど。不服。
 主人公が「犠牲は一つも許したくないので少数生存ルート潰しま~す」っていうのは納得しかねる。
 ガロの行動に関しては他にも、キレたレオに共感しつつ、更にクレイの目的を知りつつも、
 リオとクレイが激突する直前に暴走リオを止めたのも腑に落ちないところ。
 自分勝手な正義感のためにあちこちを危険に巻き込んでいる行動が多く、
 それが全編通じて賞賛され続ける作風に肌が合わない……。

・そんなわけで主義主張としてはガロではなくクレイの側に賛同するんだが、
 そのクレイが上述の通り声が変なのと、全体を通して人物像がよく分からんかった。
 話の流れに合わせて、その場に合う悪役として人物像がコロコロ変えられているような……。
 最後のほうこそ完全に悪人として描写されてるけど、
 元々の行動基準は「どんな犠牲を払ってでも人類を生存させる」っていう
 一つの形の善意の人だと思ったのだが、
 その割に最後にリオと会話するシーンでは、結局人類は救われたにも関わらず
 「余計な真似を……」なんてただの悔しまぎれの憎まれ口を叩くし、
 すごい意志力と行動力を持ってる割に、何がしたいキャラなのか最終的によくわからなかった。
 「余計な真似を……」はマジで意味が分からなくて、普通に負け惜しみ言ってて不愉快なのだが、
 これについて何かもっと納得いく解釈あったら誰か教えてください。
 自身で思いついた救済策が、手段でなく目的になってしまっているとかそんなキャラなのだろうか?
 プロメアが巣食っている地球から離れて他の惑星に行きたかった、とかも考えられるが
 それであればやっぱり、プロメアが地球から送還された本編の終わり方なら喜ぶべきと思う。
 どさくさに紛れて選ばれた人間だけの社会を作りたかったとか、
 ワープ先で唯一のバーニッシュとして君臨したかったとかの設定があるのかもしれないけど、
 もしそうだったとしても、それらは本編からは読み取れなかったなあ……。
 そして、どんな軸で動いている人物であれ、ガロに計画を明かしたのが意味不明。
 その直後に、ガロのことが嫌いだと判明するが、であれば計画は明かさずに即座に逮捕するべきでは?
 作話上の都合で動いている人物に見える。ラスボスがブレるのはイマイチ。



▼▼▼総括▼▼▼

主人公の一人であるリオ、そして一部の脇役には魅力を感じる一方で、
おそらくは正主人公であるガロおよびラスボスのクレイにいまいち魅力を感じきれなかった。
世界観や映像はすばらしく、映画1本で観られるよくまとまったグレンラガンという感じ。
ただし映画1本で完結する分、話はスケールダウンしている。
アトラクションとして何度も観るにはいくらか長すぎるのと、
アニメなんだから声優はアニメ声優で統一して欲しかった。

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