そんなわけで『ワイルド・スピード』シリーズの6作目の感想、7作目の感想、8作目の感想と続けて書いてきまして、シメとなるのがこちらの『スーパーコンボ』です。現時点ではシリーズ最新作ですが、スピンオフという立ち位置でして、正統な9作目はまた別に公開されるようです。この『スーパーコンボ』をみんなで一緒に観ようという同時視聴の試みが先日ミラナ・ラヴィーナさん(Twitter)の配信で行われました(Youtube)。私も参加しましたよ!
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ (字幕版)』(Amazon Prime Video)
先に紹介したミラナ・ラヴィーナさんが紹介して曰く、「実質プリキュア」とのことですが……。オタク特有の例え方を許容するのであれば、それは実際そう。原題は『Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw』となっていて、意訳すれば「『ワイスピ』シリーズから登場:二人はホブスとショウ」というわけで(本当にそうか?)、あ~、二人だね~、白と黒だね~、ケンカもするけど最後は力を合わせるね~、というわけです。魅力的なキャラクターを老若男女問わず全員美少女に例えてしまうのはオタクの悪癖ですよ!
そんな説明をした直後にいきなり覆しますが、実はここでいう「ホブス」と「ショウ」は、単に「ルーク・ホブス」「デッカード・ショウ」の二名を表しているだけではなさそうですね。この映画では「ホブス家」「ショウ家」にもそれぞれ踏み込みます。特に『ワイスピ』シリーズではほとんど語られていなかったホブス家が大々的に登場するのはオイシイところですね!ショウ家は8作目『アイスブレイク』でも活躍しましたが、ここに来て妹まで登場、少なくとも3人の兄弟全員が特殊部隊やら秘密情報部やら出身で、母親も詳細は分からないけどどう見ても大物。すごい一家です……ただし!!今作には、6作目『ユーロミッション』で敵ボスを務めたオーウェン・ショウが一切登場しません。制作にどういった意図があるのかは分かりませんが、ショウ家のほうは重要なピースを欠いているように感じましたね。ここは明白に残念なところです。(私はオーウェン・ショウが好きなので……)
さて邦題のほうも見てみると『スーパーコンボ』とあります。おそらく複数の意味を持たせてあるとは思いますが、まずは「あのホブスとショウが主役!?」というとんでもない組み合わせがスーパーなコンボでしょうね。映画本編のほうも全体的に視聴者から見て「おいおい、ファンサービスのバーゲンセールかよ!」みたいな造りになっていて、「ファストフードでバリューセットを頼んだら思ったより量がすごくて胃もたれしている」みたいな状態が引き起こされます。印象としてはスーパーどころかハイパーなコンボでしたね……。「盛りすぎ」という点では、どうやら制作陣や出演者の身内ネタ・出演作ネタなども盛り込まれているらしく、映画初心者の私には全く意味の分からない会話シーンがちょいちょいありました。元々、気に食わないところ・わからないところはスルーで面白いところだけ拾っているシリーズではあるので、「きっと分かる人にはオモロイんだろうな」程度に思っています。この作品は「盛り」がすごい。色んな意味で。
さて、では具体的にホットだったキャラクターやシーンをご紹介……と行きたいのですが、実はこのように元々ハイカロリーな映像を、よりによって作品大ファンのミラナ・ラヴィーナさんの実況解説つきで同時視聴するという体験は、私の処理能力をいささか上回っており、「すごかったと思うんだけどあんまり記憶に残っていない」という状態に陥っております。もしかすると重要なシーンを語り漏らしたりするかもしれませんが、それはご了承してね☆
まずキャラクターですが、デッカード・ショウの妹として唐突に発生したハッティ・ショウ!めちゃくそに美人。私は美形が好き。そしてさすがショウ家の人間、クソ有能、クソ強気、クソ口が悪い。美形といえば母親のマクダレーン・ショウも、老婆ながらCOOLな出で立ち・振る舞いをしていて魅力的です。ショウ一家(マイナス、オーウェン……)が出揃うエピローグは感動的でしたね!
アクションシーンについては、ホブスとデッカードが好き放題やるシーンは全部かっこいいのでいちいち言及できないレベル。全部かっこいいから、そのせいでいまいち記憶に残ってないのかもしれないわね……。今作のカーチェイスについては、車よりもバイクの印象が強いといったところ。今作の敵であり、いわゆるサイボーグとして超人的な戦闘力を発揮するブリクストン――妙にデッカードとの過去を匂わせまくり、デッカードに執着し、今回解説してくれたミラナ・ラヴィーナさんが「デッカードの昔の男」と言って異常興奮していた――がバイクを乗り回すわけなのですが、その設定上のアドバンテージを活かし、とんでもないバイク運転を披露します。彼は強すぎて格闘戦では負けないのですが、そこは個人的にはちょっと面白みに欠けた印象ですね……。一方でバイクアクションでは人離れした運動能力が活きていたように思います。彼のバイクによる追撃は毎回失敗に終わってた気もするけど……。
ストーリーについては特に言うことありませんわね。強い男が久しぶりの平穏を味わっている……しかし世界が彼を放ってはおかない……またも世界の危機、出動だ!といういつものパターン。そうして前作でもやった「こいつと組む!?ありえない!」を経由して、敵さんと化かし合い、唐突なロマンス(これ要る???)、なんとか勝つけど敵キャラ死んでる感じしないな~これwww次回作で味方パターンか~?wwwという感じ。大筋はね。やはりアクションが見所だし、今回はコミカルな言葉の応酬も多く、毎度ながらミリタリー的な話の造りは結構好き。アクションが強すぎて相対的にストーリーは目立たないけど、決して品質が悪いわけではないように思う。強いて言えば今回はいささかSFすぎるかもね!
私は最近シリーズを見始めたニワカだから詳しいことは全然分からないんだけど、シリーズの制作にあたって色んな話題があるみたい。キャストの不仲だとか、ジェンダー的な話とか?それらについて私が言うことは何もないけど、シリーズ途中から登場して人気を博したというホブス捜査官とデッカード・ショウをスピンオフで切り離したとも言える今作、その判断はかなり正解なんじゃないかと感じるわね。私は実際この二人が好きだけど、この二人が活躍する映画が『ワイルド・スピード』なのか?というと、それは怪しそう。同じ世界観を共有した上で、ドミニクファミリーの元々のカーチェイス映画と、ホブス&ショウのハイテク特殊部隊映画を同時にシリーズ展開できるとしたら、それはかなりしっくり来るな~と思います。制作費とか大人の事情は私ちやないっ
そんなわけで1週間で駆け抜けた私の『ワイルド・スピード』は、制作に関わる余計な知識なども巻き込んで、こんな感じで終わったのでした。9作目『ジェットブレイク』は予定では来年の春公開とのこと、ここまで観たんだから興味は沸くわよね!ぜひ観たいと思います。またその時に会いましょう(ここでイカした車に乗って走り去る私をイメージしてください。終わります)。