感想 ハッピー・デス・デイ/ハッピー・デス・デイ2U(字幕版)

『ハッピー・デス・デイ (字幕版)』(Amazon Prime Video

『ハッピー・デス・デイ 2U (字幕版)』(Amazon Prime Video

 

観たきっかけ

映画好きVtuberのミラナ・ラヴィーナさん(Twitter)とミミカ・モーフさん(Twitter)が隔週程度でホラー映画の同時視聴配信を企画しており、そこに参加してきました!

【ハッピー・デス・デイ 同時視聴】最期の一日を何度でも繰り返す【Vtuber/ミラナ・ラヴィーナ/ミミカ・モーフ】(Youtube

【ハッピー・デス・デイ2U 同時視聴】最期の一日また繰り返すの…?【Vtuber/ミラナ・ラヴィーナ/ミミカ・モーフ】(Youtube

 

1作目のあらすじ

やさぐれギャル大学生のツリは、二日酔いの頭痛を抱えて目を覚まし、最悪の誕生日を過ごす。挙げ句その晩、仮面の人物に包丁で刺されて死んでしまう。そして目を覚ますと、また誕生日の朝だった。悪い夢だと思っていたが、その晩また殺害され、再び同じ誕生日の朝に目を覚まし、ループに陥っていることを受け入れる。かくして殺人犯を特定し、ループを抜け出すためのツリの悪戦苦闘が始まる……。

 

感想

面白かった!強いて言えば、1作目の序盤は世界観の説明に費やされるし、各登場人物の初登場はだいたい印象が悪いので、そこは退屈。その後はホラーな場面、明るい場面、感動的な場面、主人公の成長が見える場面など見所が多い!ホラー一辺倒ではない……というか、ホラー要素は薄いですね。1作目はまだしも、2作目のほうは相当ホラー要素が薄い。SF寄りになります。総じてアドベンチャーゲームっぽい感じがするわね。

 

序盤が退屈とは言ったものの、その後は退屈させない造りになってると思う!あらすじの通りループもので、同じ登場人物、同じ場所ばっかりを繰り返すんだけど、毎回大きな変化がある。映画としては比較的見やすい100分弱の尺の中で、ちゃんと話が気持ちよく片付くのがいいわね。ハッピーエンドで終わるので、そこもホラーっぽくないと感じさせる部分かな?

 

同じ人物、同じ場所ばっかり、っていうのが実際すごいところで、1作目だけじゃなく2作目まで通して同じ人物と同じ場所が登場するのよね。さすがに2作目ではいくらか新しい人物と場所が追加されるけど、主要な人物は同じ。脚本と演出、俳優さんの演技だけでループによる変化を表現しきっていて、映画に疎い私でも「なるほど、演技ってこういうことか!」って何となく分かった気になっちゃった。制作のことについてはなおさら分からないけど、ハリウッドアクションとかと比べたらやっぱりお金はかかってないだろうし、それでこの楽しさの映画が作れるのはすごいな~って思いました。

 

ホラー要素は仮面の人物のみ。主人公のツリ(2作目序盤に限っては別の人物)の死がトリガーとなってループが起こるんだけど、死の原因の大半を占めるのが、大学スポーツチームの応援マスコット仮面をつけた黒ずくめの人物。この人物の正体が分からないところに怖さがあるわね。この人物に超常的なパワーはなく、単に身元を隠した人間なので、もうちょっと頑張って抵抗したり、人数集めて警戒したら余裕で対策できるんじゃない?wみたいなツッコミもあるけど、それはまあ……無粋かしらね!あとは追い込まれたツリがたびたびヒステリーを起こすのがホラーっぽい描写だけど、そりゃまあヒステリーにもなるわね……って感じで自然だし、それで選択を変に間違えるわけでも、長々と引きずるわけでもないから、悪い印象のないヒステリーでしたね。私の苦手な人間関係の話もあっさりしていて素晴らしい。

 

ホラー以外の部分では、だいたい不穏・不快な要素は最後にちゃんと解決されるし、爽快感があって楽しかった!特に陽気なBGMがかかってツリが開放的になるシーンが楽しい。1作目ではループを受け入れてツリが好き放題やるシーン、2作目では殺人鬼に殺されるよりはマシってことで色んな自殺を試すシーンとか。どうせ死ぬんだから、ってことで全裸で大学構内を歩いたり、ビキニでパラシュートなしのスカイダイブをしたりと、思い切ったコミカルなシーンも!総じてBGMの使い方も秀逸だったなあと思います。

 

そして何よりすばらしいのは、どの登場人物に対しても、徐々に印象がよくなっていくところね!先に「各登場人物の初登場はだいたい印象が悪い」と書いたけど、これはその通りで、大体は「大学にいるクズなやつ」のテンプレートを背負って登場する感じ。でもループを繰り返すうちにその人たちのいいところとか、コミカルなところが見えてきて、悪役も含めてなんだか好きになっていく。もちろん特に主人公のツリは作品を通じてどんどん成長していき、その成長に私達は感動させられるわけ。これも俳優さん達の演技の力があるのかもしれない、表情がどんどんよくなる印象を受けたわね~。他のキャラでいうと、とあるキャラがホモバレした時、ウッソ~!!キャ~!!つって一瞬で評価が爆アゲしてしまいましたね……おもしれー映画……。

 

1作目に対して深入り

最終盤のちょっと手前、殺人犯の正体を暴いて撃破し、全員幸せになる!っていうループがものすごく気持ちよくて、この映画……最高!って思った。……んだけど!実はそのループの最後の最後で主人公が再び死んでしまい、もう1周やり直すのよね。ここ、最初は「えーっ!?」て思った!気持ちいいまま終わらせて欲しかった。それはそれで今でも思いつつ、でもその後のループも確かに面白くて、うーん……どっちも……アリ!って最終的には思いました。グッドエンドとトゥルーエンドみたいな?いずれにしても全員幸せルートの気持ちよさはすごかった。2作目の話をしてしまえば、どうせまあ……どの終わり方でも……やり直すしね!

 

2作目に対して深入り

2作目で突然シュタインズゲートになります。SF、私は好きだけどね!序盤の謎が若干置いてけぼりな気がしたけど、「更に別の並行世界から、別の問題によって人物が飛んできてしまい、とにかく同じ世界に同じ人物がいてパラドックスを起こすとマズいから片方を殺したい、自分は死にたくない」っていう動機だったのかな?ループものの1作目を受けて、2作目でループものを続けつつ、1作目とはまるで違う新鮮な話を展開し、1作目に負けない気持ちいいエンディングを作り出しているのが見事。1作目までもがSF世界観に飲み込まれちゃったけどね!2作目で明かされるループの仕組みについて、1作目の出来事がうまく伏線として活かされているし、もしかすると最初から構想はあったのかな?果たして量子力学オタクの作った謎マシーンによって時間ループが発生しちゃいました~、まではいいんだけど、じゃあなんでツリの死やライアンの死がループの条件になってるの?というのはよくわかりませんね。それはもうひたすら偶然で、その偶然発生したループ条件を取り外すための試行錯誤をしてたのが2作目、ってことかな……。

 

総評

ジャンルとしては「ホラー」になってるし、確かに入り口としてはホラーかもしれないんだけど、実際の内容は青春スクールとかSFとかコメディを含んでいて、言ってしまえば日本のSF学園アドベンチャーを感じさせる内容になっていて、割とオタク受けよさそうでは?と思いました。主人公はギャルですが、「オタクに優しいギャル」に進化するし……。そんな感じで、一晩で2作続けて観られちゃうくらい私にも観やすく、ハッピーエンドで視聴後も心地よく、総じてかなりオススメできる名作でした!

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