感想 『テッド』(字幕版)

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テッド(字幕版)(Amazon Prime Video)

レンタル299円(2020年8月3日現在)

 

視聴した経緯

【映画語り】楽しくて元気の出る映画紹介!【Vtuber/ミラナ・ラヴィーナ】(YouTube配信アーカイブ)

 

 たびたび引用しておりますが、こちらの配信で紹介されていた作品をメモに残しており、中から『テッド』を観てみました!観た時(昨日)はそういう気分だったので……。

 そんなわけで、少なくとも下品な映画であるということは事前に了解していました。果たして?

 

感想1:面白いが……ネタが分からない!

 作品の雰囲気でジョークを言っているということは伝わるのですが、パロディや風刺が多い作風上、言語や文化圏が違うと理解しきれないという難点がありますね。主人公の男性が35歳ということなのですが、「アメリカに暮らしている公開当時35歳の映画好きな男性」とかであればだいぶ分かるのかな?

 そういうネタのオンパレードなので、完全に理解できる人というのはそうそういないとは思います。分かる部分だけ分かればいい感じではあるのですが、日本語圏からでは意図を汲みきれない部分が多く、惜しい気持ちになるところがありますね。

 字幕もだいぶ苦労してそうな印象。日本語に訳しきれない部分はけっこう大胆に意訳している気がします。スラングやローカルネタは翻訳しにくいですしね……。

感想2:『フラッシュ・ゴードン』が気になる

 これも私には分からなかったネタの一つなのですが、作中で過去の映画『フラッシュ・ゴードン』に言及するシーンがあります。ていうかだいぶ言及しますし、主演俳優サム・J・ジョーンズさんが本人役として登場し、かなり長い尺をかけて活躍します。

 『テッド』の主役ジョンは、映画『フラッシュ・ゴードン』とその主演サムに心酔しています。そのため、作中でサム本人に実際に会う機会を得た際には、『フラッシュ・ゴードン』の世界に入り込んだかのようなトリップを起こします。このジョンとサムの出会いから続く一連のシーン、私の中では『テッド』で一番面白かったかも……。隣人の中国人ミンさんが名乗った際、サムが『フラッシュ・ゴードン』の敵役であるミン皇帝と混同するシーンは笑えました。ハッパがキマりすぎているわね。

 そんな気になる映画『フラッシュ・ゴードン』ですが、『テッド』を観終えた後に調べてみたところ、賛否両論、というか一部でカルト的な人気を誇っている以外では割と不評な映画であるそうな。だいぶ気にはなったけど、実際に観てみようと思うほどではない感じですね……。Amazon Prime Videoで無料で観られるようになったりしたら考えます!

 

感想3:テッドの存在が隠されていない世界観がよい

 タイトルになっているテッドは、意思を持って動くようになったテディベアです。よくある話では、こういった特異な存在はひた隠しにされがち。しかし『テッド』では、テッドの存在はすぐさま世界中に発信され、舞台のアメリカにおいては一躍有名人となったことが語られます。

 それから20年以上が経ち、徐々に忘れられて、社会に溶け込んでいる……という脚本がすばらしいと思いました。思えばそのほうがはるかに自然だし、この設定のおかげで、ぬいぐるみのテッドが一人でも自由にアメリカをほっつき歩く、しかも妙に有名人に顔が利く、などの面白さを演出できています。

 

感想4:登場人物がみんなバカ

 主人公を含め、味方も敵役も脇役も全員バカです。強いて言えば主人公の恋人ロリーが常識的であり、ゆえに苦労人です。ロリーは聖人だと思います。

 全員バカであることによって、人間に対するストレスが少なくて良かったです。敵役にあんまり憎たらしい行動を取られると、私はけっこうイライラしがちなのですが、『テッド』では敵役の思考回路も行動もアホらしくて、ほとんど気になりませんでした。ロリーに言い寄るクソ上司レックス、割と好印象ですね……。

 最も好きなバカは、テッドが働くことになるスーパーマーケットの店主。テッドが人を舐め腐ったような勤務態度を示すたびに、度胸があるといって昇進させていくネタが好き。最後まで笑えました。

 

まとめ:確かに楽しい映画だが、確かに下品

 コメディ映画ということで、シリアスな気分じゃない時に観られる映画で良かったです。ただ、単にコメディと言ってもブラックジョークの比率が高く、違法性のある行為を茶化すようなネタも多発します(特に薬物ネタが多い)。主人公ジョンも35歳にしては子供っぽいというそれなりに嫌悪感を抱きかねない設定となっており、人によっては不快なネタが多くてキツいこともあるのかも?

 かわいいぬいぐるみのテッドが低俗な行為を連発するというのが面白みなわけですが、逆に言えばテッドの見た目を免罪符として、好き放題やっているだけの下品な映画とも取れます。テッドの見た目と設定によって、内容に比べて必要以上に人気を博している感じはありますね。実際にテッドが登場するんだから間違いじゃないんですけど……。

 総じて、「もうちょっと肩の力を抜いて生きてみようかな、こいつら見てたらマジメにやるのもアホらしく思えてきた……」と、良くも悪くも緊張がほぐれる映画だったと思います。続編『テッド2』も面白いらしいので、機会があれば観てみたいですね!

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