感想 『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』

参考リンク

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(公式サイト)

少女☆歌劇 レヴュースタァライト(dアニメストア、原作TVアニメ全12話)

 

作品概要

 2020年8月7日公開。

 TVアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の、「劇場版再生産総集編」と銘打たれた映画です。要するに、TVアニメ版全12話の総集編です。”再生産”とは劇中でたびたび使われる用語であり、ただの総集編ではないという雰囲気を感じさせます。

 また、レヴュースタァライトの劇場版は、今回の総集編『ロンド・ロンド・ロンド』に続けてもう1作、完全新作が2021年公開予定となっています。

 話の内容を簡単に説明すると、舞台俳優育成学校に通う女子生徒9人が、それぞれの夢を追いかけて、「レヴュー」と呼ばれる地下オーディションで戦うアニメです。題材となる「舞台」を活かし楽曲に合わせて描かれる戦闘シーンと、謎多き「レヴュー」を経ることで成長する少女達の姿が見所です。

 

視聴案内1:TVアニメ未視聴で観てもいい?

 TVアニメ、劇場版どちらも観たことがない人向けの案内です。

 私の見解としては、ナシ寄りのアリです。TVアニメを観てから劇場版を観たほうがよいと思いますが、いきなり劇場版を観ることも選択肢としてはあると思います。

 全体的にTVアニメ版を観た人向けの内容に感じられました。可能であれば、事前にTVアニメ版(全12話)を観てから『ロンド・ロンド・ロンド』を観るほうが楽しめるように思います。

 とはいえ、せっかく映画が公開されたのだから、これを機に『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を観てみようという考えはあると思います。TVアニメ全12話を事前に観るのを面倒に思って劇場版を観る機会を逸するくらいならば、いきなり劇場版を観てしまってもいいと考えます。

 劇場版を観て内容を気に入るようであれば、いずれにせよ後からTVアニメ版も観ることになると思います。そう思えば、順番が前後するだけとも言えますね。

 また、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』にはTVアニメ以外に舞台版やライブといった展開もあり、コンテンツがそれなりに増えています。視聴の順序などは複雑に考えず、とにかく最新のものに触れてみるという考え方もあると思いますね。

 

視聴案内2:TVアニメは観たが、劇場版は観るべき?

 TVアニメは観ており、劇場版を観るかどうか悩んでいる人向けの案内です。ここから先はネタバレになりますので注意してください。

 総集編なのであれば、TVアニメ版を観れば済むのでは?という疑問は浮かびますよね。結論から言いますと、TVアニメを既に観ていても楽しめるつくりになっていますので、ぜひ観るべきだと思います。基本的にはTVアニメの映像を編集した総集編になっていますが、一方で新規の映像もありますし、TVアニメ版とは異なる演出になっている箇所もあるためです。

 また、TVアニメを観たのがしばらく前だという方にとっても、2021年の新作映画に向けて話を思い出すために有用だと思います。それに、露骨に新作映画への繋がりを意識させるような終わり方をします。ここは新規パートです。

 そもそも、総集編の元となるTVアニメ版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』が何度も観られる名作ですので、総集編であっても楽しめると思います。私は楽しめました。

 

感想1:総集編といっても、元がいいので何度観ても面白い

 すぐ上にも同じことを書きましたが、結局はこれに尽きます。元々のTVアニメ版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』が名作ですので、総集編になっても面白いです。良いシーンは何度見ても良い!

 

感想2:楽曲について

 レヴュー曲のうち「The Star Knows」、「恋の魔球」、「花咲か唄」についてはTVアニメ版とは別アレンジが用意され、レヴューシーンで流れます。それぞれ「The Star Knows -Another-」、「恋の魔球(7回裏)」、「宵・花咲か唄」という曲名です。「The Star Knows -Another-」はギターが入ってよりかっこよくなって盛り上がりを感じましたが、「恋の魔球(7回裏)」はゲーム音源風、「宵・花咲か唄」はテンポを下げたアレンジということで、個人的にはTVアニメ版の原曲のほうが好きだなと(レヴュー映像に合っていると)思いました。

 また、華恋・ひかりVS真矢・クロディーヌのレヴューデュエットは、TVアニメ版の「Star Divine」ではなく、TVアニメ以降に発表された「Star Diamond」に差し替わっていましたね。これは熱かったです。最後に華恋と真矢が交錯するシーンの口パクなどもおそらく「Star Diamond」に合わせて再編集されており、映像全体の高揚感が高かったと思います。TVアニメ版もいいんですけどね!

 

感想3:総集編なので省略された部分も多い

 当然なのですが、TVアニメ全12話に対して劇場版ほぼ2時間の尺は短いので、TVアニメ版から抜け落ちている部分も多いです。ゆえに、劇場総集編があるからといって、TVアニメ版の役割がなくなるわけではないという印象ですね。

 

感想4:編集を楽しめた

 『ロンド・ロンド・ロンド』は総集編ではありますが、上記のように切り落とされた部分もありますし、それどころか映像の順序が変わっている部分もありました。特に序盤の華恋VS純那の「The Star Knows」を抜かして華恋VS真矢の「誇りと驕り」が描かれたところで、TVアニメの順序通りの総集編ではないことが分かります。TVアニメ版のどこを総集編に収め、そしてどのような順序で見せてくれるのかを常に楽しみながら観られました。

 そういう意味で、「同じ舞台は一つもない」という劇中の一つのテーマを、アニメ作品ながら、劇場版で体現できていると思います。総じてすばらしい編集でした!

 

感想5:新規パートについて

 新規パートは主に、地下レヴュー場におけるななとキリンの会話シーンが、6パートに分けて上映される総集編のそれぞれのパートの頭に挿入されていますね。そして映画の最後にて、なながひかりを待っていたという描写が判明し、二人が互いに続編を匂わすという終わり方だったかと思います。

 それと、TVアニメ版では華恋だけだったアタシ再生産バンクが全キャラ分用意されていましたね。一瞬の演出ですが、良かったです。他にも文字だけですが、レヴューシーンの舞台装置の名前が表示されるようになっていたり、オタク心をくすぐられる要素があったと感じます。

 TVアニメ版から2年経って、やはり他の作品に気が移っている頃でした。そういうタイミングで、一部とはいえ新規のアニメーションが出てきたこと、そして続く新作劇場版が匂わされたことで、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』というコンテンツが現在進行形であるということを体感する、そう感じさせる効果があると思いました。新作映画に先駆けて総集編を上映するというのは、マーケティング的にも上手な印象ですね。

 

まとめ:新作への期待が高まる!

 TVアニメ版が良かったことを思い出し、2021年の新作映画により期待が高まる!そんな劇場版総集編だったと思います。総集編とはいえ工夫が凝らされており、飽きずに観ることができるのがすばらしい点でした。

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